国際交流プログラム

加藤咲貴(2022年度参加)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、オンラインの開催が続いた日本・カナダ学生フォーラムでしたが、今年は対面での開催が実現しました。今回は日本とカナダのあわせて20校から各国12名が東京、および千葉県の城西国際大学に集まり、”Canada and Japan: Towards 100 years of diplomatic relations” というテーマのもと最後の日本・カナダ学生フォーラムが開催されました。

 フォーラム参加前の事前課題

 まず、フォーラムの1ヶ月ほど前に事前課題として ”In what ways can Japan and Canada further develop their relations over the next 100 years?” という問いについて英語で800字程度のレポートを提出しました。今回のフォーラムは4つの大きなテーマ(社会の変化、ジェンダー問題、環境問題、ボランティアやコミュニティへの参加の側面)の議論を深めるために、事前に配布された文献を読むこと、そしてそれぞれの授業でのディスカッションの質問に対して自分の意見を発表、共有できるように予習をしておく必要がありました。普段の大学で日本語で受けているような授業内容が英語に変わるだけで理解するのにとても時間がかかり大変でしたが、根気強く進めていけたことで実際のフォーラムの授業での理解度が上がったように感じました。

 日加学生フォーラム開始!

 初日は千葉に両国の学生が集まり、2日目から4日目にかけてオリエンテーションやキャンパスツアー、そして4人の特別講師によるテーマ別の講義などが城西国際大学で行われました。5日目に東京に移動し、6日目にグループごとのプレゼンテーション準備、7日目にカナダ大使館で各グループの発表、そして8日目に全員で自由に東京観光、9日目に解散というような日程でした。

  ・講義を通じて

日本とカナダはおよそ100年の外交関係を持っており、その歴史やそれぞれの国が抱える課題点などについての授業を受けました。そのなかで、特に印象に残っているのはカナダの学生のボランティア参加についての授業です。日本ではボランティア活動は任意ですが、カナダではおよそ40時間(州によって異なる)のボランティア参加が義務付けられており、その授業ではそれぞれの学生の体験やどのようなことがお互いの国から社会問題を解決するためになにができるかを話し、発表し合いました。そこで、私はカナダの学生の社会問題に対する意識の高さ、勉強に対する姿勢に刺激を受けました。知識の量に限らず、授業中の発言から世界や社会全体に目を向けていることが伝わり、大学生活を見直すきっかけになりました。

  ・プレゼンテーション

準備の時間が少なかった中それぞれのグループが異なるテーマを考え、カナダの大使館にてプレゼンテーションをしていきました。私は人前に出て、発表することにあまり慣れていないためとても緊張していましたが、メンバーからたくさんの励ましの言葉をもらい、無事発表を終えることができました。私のグループは “Environmental sustainability through indigenous and cross-cultural lenses“ をテーマに日本とカナダの「先住民」から持続可能な世界を実現するために学べること、さらにそれぞれの政府と先住民族との関係や政策について着目しながらプレゼンテーションを行いました。

  ・日本文化体験

フォーラム中に千葉県の郷土料理である「太巻き祭り寿司」作りの体験やいちご狩り、東京観光を通じて、メンバーとさらに絆を深めることができました。さまざまな体験を通して自分が「当たり前」に思っていたことがカナダの学生にとっては新鮮で、その違いに国内にいながらもカルチャーショックを受けました。普段の生活ではあまり気付かなかった日本の魅力を感じ、誇らしく思うと同時に英語で日本文化を説明することはとても難しいと実感し、英語の知識だけでなく日本についてもっと勉強していこうと思うようにもなりました。

フォーラムを終えて

 このフォーラムが始まった初日、新しいことに挑戦する期待もありましたが、私には知り合いが誰もいなかったこともあり正直不安でいっぱいでした。さらに学習テーマが難しかったこともあり、自分の意見を英語でうまく伝えられなかったことなど、決して楽なことばかりではなかった9日間でした。しかし、振り返ってみると共に最終プレゼンテーションに向かって協力し、大学生として社会の問題について真剣に考え、高め合える仲間が日本だけでなく、国境を越えたカナダにもできたことは私の人生にとってかけがえのないものになりました。今後は、授業を通じてここで学んだことへの理解をさらに深めていき、留学にも挑戦してみたいです。

  最後になりますが、城西国際大学の先生、スタッフの皆さま、そしてこのフォーラムの開催に関わったすべてのスタッフの方々に心より感謝しております。ありがとうございました。