体験インタビュー

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム 石井美南海(1期生)
貧困問題を観光で解決!!
トビタテ!申請コース:新興国コース
石井美南海(1期生)
2015年度 グローバル教養学部 グローバル教養学科 4年

 

活動報告

 

(1)留学結果概要

サンディエゴ州立大学

Fundamental of Entrepreneurship (MGT358 )、Social Entrepreneurship (MTG455)

Elementary Statistics for Business (STAT119) 、Introduction of Spanish  (SPAN101, 102) の単位の取得

特にMTG455では、1からソーシャルビジネスの立ち上げを学び、欧米諸国でのベストプラクティスを取り扱う授業だったので、パートナーシップの考え方など、Tonalli Projectの参考になった。

Tonalli Project

秋学期に現地の受け入れ先と連絡を取り、プロジェクトが殆ど進んでいないことが判明した。冬休みには現場を訪れ、1からツーリズムの立ち上げに携わった。現場検証をし、できそうなアクテビティーをピックアップし、そこから日本人、アメリカ人とターゲットを定めて、アメリカに帰ってからは、学内でのプレゼンテーションやSNS、チラシ配布などで広報活動を行った。またインターナショナルセンターでボランティアの募集を行ったがあまり興味を示してもらえなかった。その理由として指摘されたのが、(1)メジャーな観光地ではないからきたいと思わない。(2)ツーリズムの魅力が適切な言葉で伝えきれていない。という点であった。(1)についてはミチョアカンだけでなく、知名度の高い首都のメキシコシティーを組み込むことでより興味を引くことができると考える。(2)については、ターゲットリーチする環境での広報活動ができなかった点と、英語での表現を含め、ターゲットに刺さるようなメッセージで伝えられなかったという点にあったと考える。今後はそういった反省点も踏まえ、旅行会社や大使館など、ツーリズムによって利益がでそうな機関や団体を巻き込みながらながら進め、ツーリズムが実施できるようにしたい。

 

(2)留学の成果

(1)サンディエゴ州立大学での単位取得。

(2)11月に行われるスペイン語検定を受験する。

渡航したての頃は、数字の数え方も分からなかったが、現在は簡単な日常会話や、店での買い物ができるようになった。また大学の授業では、作文を書いたり、プレゼンテーションを行なったりと、アウトプットの場が多く設けられ、4技能を総合的に向上させることができた。しかしながら、文法を完全に習い終えていないこと、ボキャブラリー不足など、検定の取得には地道な努力が必要であるため、帰国後もオンライン学習を継続的に行なっていくつもりだ。

(3)TOEFLは、7月に行われるTOEICで、TOEFL iBT100点と同様レベルのTOEIC880点以上を目指す。日本語字幕なしで映画が見られるようになったことや、会話の輪に入れるようになったことなどから、リスニング、スピーキングの向上を実感した。その反面、文法をあまり意識しなくなってしまったので、検定を受ける前には文法を重点的に復習する必要がある。

 

 

 (3)留学中の気づき、得られたもの、苦労したこと

苦労したことは3点ある。1つ目は言語の違いである。メキシコ人と、お互いに母語でない英語を用いてコミュニケーションを取るのは容易ではなかった。また、ツーリズムの魅力の伝え方という点で、英語で話し合いをして、それをどのように日本のターゲットに響くように伝えるかということをひねり出すことに苦労した。また、時間の感覚の違いも苦労した点の一つであった。アメリカに帰国してからはスカイプでやりとりを行っていたが、連絡なしに約束の時間に現れてくれなかったり、この日までに完成させて送ると言われていた資料も、送ってこないといったことがあった。またネガティブなことは言わず、ポジティブなことしか言わないため、相手の言葉を鵜呑みにしすぎないことを学んだ。さらに、持続性的なソーシャルビジネスを考え出すことの難しさを実感した。私達のプロジェクトは観光を通して貧困層に収入を生み出すというものであったが、経済や社会情勢の影響を受けやすい観光が果たして本当に最適なビジネスなのかと問われたら難しいと感じた。観光だけでなく、そこで得た収入を他の事業に投資するという方向も検討する必要性があると思った。また、メキシコの貧困地域への観光を私が日本人をターゲットに行うことは距離以外にも、ISISの事件のあとで海外旅行のキャンセルが相次いだ中、メキシコの貧困地域でのスタディーツアーを打ち出すのは厳しいと思った。

 

 

 (4)日本発信プロジェクトの活動内容と成果

充実した生活を送るために不可欠である、食事に興味や好感を持ってもらえれば、日本自体への興味や好感アップにつながると考え、友達に積極的に日本食を振る舞ったり、日本食パーティー(お好み焼きパーティーなど)を開催した。

 

(5)帰国後の活動に向けて

帰国後はソーシャルビジネスの知識や経験、また足りないと思うビジネススキルをつけるために、社会企業家を支援しているNPO団体でのインターンを行う。

 (6)日本代表プログラムの後輩へのメッセージ

留学中は、新しいことが沢山で刺激的な毎日が待っていると思いますが、文化の違いから、苦労することも孤独を感じることもあると思います。私の周りには日本人があまりいなかったので、寂しさやストレスを抱えることも多かったです。そんな時にトビタテ生と相談することで、1人ではないと思えたり、モチベーションをもらうことができました。また、トビタテ生にはいろんな分野を本気勉強している人がいるので、是非積極的に交流して刺激をもらうのもいいと思います。

 

 (7)日本代表プログラムに参加しての感想

日本代表プログラムに参加して得た一番大きなものは人とのつながりだと思います。自分と同じ興味を持つ同志との出会いや、自分とは全く異なる勉強をしている人とのつながりは貴重で、大きく視野が広がりました。全く違った分野ですが、実はそれらがつながることで面白いものが生み出せることを知り、今回のプログラムでは違った分野を学ぶ人同士の繋がりができ、勉強になりました。例えば、私が勉強している、貧困
問題解決のためのソーシャルビジネスとテクノロジーとの融合は画期的であり、私も理系分野の勉強をする必要性を感じました。さらに、日本中の情熱に溢れる学生と交流を持つことができ、自分の向上心に繫がりました。留学中、辛いことや、孤独を感じることも多々ありましたが、Facebookやトビタテ!の派遣生専用のポータルサイトなどの投稿を見て、元気付けられたり、また具体的なアドバイスをもらえたりと他のトビタテ生の交流が心の支えになり、とても感謝しています。