Our Activity
青年リーダー・日本名門大学学生訪中団に本学学生が参加しました。
2025.11.11
中華人民共和国駐日本国大使館が、日中若者同士の相互理解を促進するために実施した「青年リーダー・日本名門大学学生訪中団」に本学学生が参加しました。このプログラムは、東京地域の大学の学生を対象に、中国の政府部門、大学、企業などを訪問することを通じて、実際の中国を体験し、日中の若者同士の相互理解と信頼関係を深めることを目的としています。
以下に、参加学生の体験談をご紹介します。
体験談
上海
法学部国際政治学科4年 伊藤理彩
プログラムを通じて、中国現地の大学生との交流や企業訪問、歴史的な場所の見学を行い、中国の歴史と現代社会の様子を身をもって体感することができた。
特に印象に残っているのは、上海交通大学での教授陣による対談と、上海外国語大学での講演である。私は大学のゼミで中国を含むアジアの国際関係を学んでいたため、現地で中国の方々の見解を直接伺えたことは非常に貴重な経験であった。
上海交通大学での質疑応答では、「日本の技術革新の鈍化と中国の急速な技術革新、その要因をどう考えるか」という問いが出された。中国側の教授からは、「日本は先進国であり、中国は発展途上国である。発展した状態からの進歩は見えにくいが、途上からの進歩は見えやすい」との回答があった。この“発展途上国としての中国”という自己認識は、グローバルサウス諸国へのアプローチの文脈で聞いたことがあったため、技術革新の分野でも同様の視点が語られることに強い関心を抱いた。
また、上海外国語大学での「戦後80年の中日関係」に関する講演では、中国が中華民国や台湾をどのように位置づけているのか理解を深めるとともに、戦後の日本政治を中国がどのように評価しているのかを知る貴重な機会となった。
学生交流やクイズ大会では、中国の学生たちの日本語力や日本に関する知識の深さに驚かされた。さらに、先端技術を扱う企業を訪問し、急速な技術発展を支える中国社会の活力を感じ取ることができた。
訪問中、中国の教授や学生の多くが「中国を自分の目で見聞きすることの大切さ」を強調していた。私もその意見に共感し、交流を通してお互いの文化や流行についても語り合えたことを嬉しく思う。今回得たつながりを大切にしながら、中国への理解をさらに深めるために中国語の学習を始め、再び中国を訪れたい。
経済学部経済学科3年 田中哉多
「青年リーダー・日本名門大学学生訪中団」として上海と杭州を訪れた5日間は、私の中国観を大きく塗り替える機会となりました。機窓から見えた都市の広がりと時速300kmのリニアモーターカーの疾走は、メディアのイメージを遥かに超えるスケールと速度を、初日から体感させてくれました。
特に心に残ったのは、理論と実践が驚異的な速度で結びつく社会変革の現場です。大学で語られた教育理念が、実際に最先端の医療機器やロボットとして社会で機能している。その強固なエコシステムに触れ、社会がまさに書き換わっていく様を目の当たりにする思いでした。
しかしこの旅は、技術の躍動を支える土壌の豊かさをも教えてくれました。政治的対立を超えて交流を続けた「民間外交」の歴史は国と国の礎を築く個人の意志の力を、そしてアートと自然を融合させる「未来郷村」の姿は、経済合理性だけではない多様な価値観が新たな活力を生むことを示してくれました。
「自分の目で見て対話しなければ、真の理解は得られない」。この事実を深く認識した今、今回の訪問で得た複眼的な視点を今後の学びに活かし、未来の日中関係に貢献できるよう、真摯に学びを深めていきたいと考えています。
北京
法学部国際政治学科1年 ⻤⽊杏梨
今回のプログラムでは、⼤学⽣交流や企業、外交部訪問を通して実際の中国を体験し、⽇中間の⽂化の差異を実感したとともに、中国の発展の在り⽅を学ぶことができました。
1⽇⽬から3⽇⽬は⼤連・旅順へ滞在し、⽇系企業への訪問や農村部⾒学を通して中国の⽂化や市場への知⾒を⾼めることができました。また、⼤連理⼯⼤学をはじめとした学⽣との交流会では、SDGsをテーマに話し合い互いへの理解を深めました。
⽇中間で取り組み⽅には⼤きな違いがありつつも基本的な⽅針は共通しており、共に社会課題に真摯に向き 合っているということを分かち合うことができました。
4⽇⽬、5⽇⽬は北京へ滞在し、北京⼤学での講義・交流会や市内⾒学で、中国の⾸都、北京の発展と⾊濃く残る⽂化の共存を体感しました。また、中国の発展を⽀える⾸鋼園区への訪問では、AIなどの最新テクノロジーを⽤いて、データ収集から介護補助、映画業界など幅広い分野で中国の技術が活躍していることを学びました。
外交部訪問では、外交部の⽅から中国と⽇本の関係についてお話を聞くことができ、中国側から⾒た⽇本を知る、得難い経験となりました。
国際文化学部国際文化学科4年 松爲瑞希
この訪中プログラムでは、ニュースやSNSでは知ることのできない、リアルな中国を体験することができました。現地学生との交流や、様々な施設への訪問を通して、多様な角度からの文化交流ができたと感じています。
1日目と2日目は大連理工大学の学生と、4日目は北京大学の学生と交流し、日中の文化や社会問題などについてディスカッションおよび発表を行いました。中国社会のリアルな現状や、学生目線での生の声を聞くことができ、両国学生の相互理解の促進に繋がったと確信しています。
>また、5日目の中華人民共和国外交部への訪問は、これからの日中友好を考える上で、非常に重要な知見を得ることができました。楊公使の「百聞は一見に如かず」という言葉が特に印象に残っています。現在、日本人が中国に対して持っているイメージは必ずしも良いものばかりとは言えません。しかし、今回のプログラムでは、温かく優しい中国人の方々と触れ合い、高度に発展した社会を目の当たりにし、大きな刺激を受けました。この貴重な体験を活かし、日中の友好と相互理解の発展に貢献していきたいと考えています。
法学部法律学科4年 三塚美緒
今回の中国への訪問を通して、中国の先進的な科学技術や民族文化、歴史的建造物などを実際に目で見て体験することで中国の伝統から未来の姿まで多くの事を学ぶことができました。また、中国の学生との議論や交流を通して、日本と中国が直面する課題や現状に対する共通点や相違点を話し合い、両国で解決に向けて取り組むべきことや協力すべきことを考えるなかで、日本と中国の結びつきは想像以上に密接で多くの可能性を秘めており、様々な分野で連携を強化していくことの重要性を改めて認識しました。
訪問の中で特に印象的だったことは中国の学生の強い探求心と積極的な行動力です。今回は日本に対して興味関心を抱いている学生との交流が多かったですが、学生たちの日本語や日本文化などに対する知識や理解は深く、日本についてもまだまだ知らなかったことを多く学び、中国の学生の熱意に感銘を受けました。また、中国外交部の方のお話の中で、日本の若者に期待することとして、先入観を捨て自分の考えを持つことが大切であるとのお話がありました。これらのことから、人的交流が盛んな現代社会において、無知や無関心な状態で物事を判断するのではなく、自分自身で積極的に学び、経験したうえで自分の考えを持つことが大切であると思いました。今回の訪中の経験を今後の人生の糧にしていきたいと思います。
社会学部社会政策科学科4年 盛岡亮太
今回の訪中団では、伝統文化と先進技術の両面を感じることが出来た旅でした。
大連に降り立ち、旅順博物館では古くから伝わる鋳物や仏像を観察することが出来ました。
世界史の資料集ではわからない、そのものの魅力を生で体感できたことは非常に良い体験だったと思います。
満州族の生活を再現した村や故宮を訪れた際には、中国の王宮ドラマの中に迷い込んだような感触に襲われとても面白かったです。
一方、中国のAI技術の最先端を担う企業に訪問した時には、その現場の熱気とともに目を見張るものがありました。
全自動で飲み物を作るロボットが淹れた珈琲はとてもおいしく、自分が淹れるものよりも数段良かったので少し悔しかった思い出があります。
現地の学生とは、日本語での会話でつまずくこともなくレベルの高さを感じました。
これからは、多くの外国を訪れ自分の無知を一つずつ減らしていきたいと、そう感じさせる旅になりました。
グローバル教養学部グローバル教養学科2年 高谷春菜
今回の訪中では、旅順・大連・瀋陽・北京など様々な都市を訪れる中で、中国の歴史と現代社会を多面的に学ぶことができました。旅順では日本との歴史的な関わりを感じられる場所が多く、生きた歴史を実感しました。大連理工大学や北京大学での交流では、中国の現代化に向けた政策や社会構造の改善について学び、行動力と国のスケールの大きさに強い印象を受けました。学生同士の対話では、共通点も多い一方で文化の違いから新しい視点を得ることができ、対等に学び合う姿勢の大切さを感じました。
また、中国の外交部を訪問した際には、自ら現地に足を運び、自分の目で見て学ぶこと、そして積極的に外の世界に出て成長することの重要性を実感しました。さらに、団長として外交官の方々の前で発表するなど、貴重な経験を得ることができました。今回の訪中団は政府が主導しており、普段よりも国との関わりが密で、重工業の企業や外交部などを訪問する特別な機会をいただきました。自分の目で見て考えることの大切さを改めて感じ、今後の学業や経験の積み重ねに生かしていきたいと思います。
法学部政治学科2年 濱田麗生
今回の訪中団を通して印象に残ったことは2点あります。一つ目は大連理工大学や北京大学の学生とのディスカッションや交流を通して、年齢の近い外国の学生たちがどのような考えや信念を持って生きているのか、実際に話して肌で感じることができました。日中の政治の話に限らず将来やりたいことや夢、日本の好きな所、これまでの人生の歩みなど、いろいろなことを率直に語り合える時間はとても貴重なものだと思っています。二つ目は、外交部訪問です。なかなか中国の外務省に訪れる機会はない中で、お時間を作っていただき、また質疑応答や写真撮影も含め、快く歓迎してくださり、貴重なお話を直々に聞くことができた事は2度と忘れません。最後に、5日間のすべてのプログラムを通して、自分のバイアスが取っ払われ、本当の中国を見ることができました。この上で、これからも日中関係がより良くなるよう、友好関係の橋渡しに貢献できる人材になるために学び続けていこうと思います。貴重な機会、本当にありがとうございました。