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2024年度理工学部SAプログラム(マラ工科大学・Global Project-Based Learning)に参加しました。

2025.09.08

理工学部ではSA(スタディ・アブロード)プログラムとして、夏季と春季休暇を利用した留学プログラムを実施しております。
夏季はマレーシアのマラ工科大学にて、Project-Based Learning形式のロボット工学演習を行うプログラムとなります。

以下に、参加学生の体験談をご紹介します。

体験談

今回、私は法政大学理工学部の留学制度でマレーシアのUiTM(Universiti Teknologi MARA)で開催されたGlobal Project-Based Learning(gPBL)に参加しました。本プログラムは日本・マレーシア・インドネシアの三ヵ国の学生が合同で取り組む国際ロボット実習です。チャンギ国際空港を経由してマレーシアに到着し、現地学生たちと交流を深めながらスタートしました。到着後、マレーシアの国教であるイスラム教について礼拝や宗教観などを直接聞けたことは、渡航初日から異文化を学べる体験でした。また日本の宗教観について説明した際、日本人の中には特定の宗教を信仰しているわけではないが神道と近い価値観を持っているという人が多くいるという点が興味深い、という意見を現地学生からいただき、印象に残りました。また、日本のアニメの話題で打ち解け、日本文化の世界的影響を実感できたのも嬉しい瞬間でした。

実習では、まずロボットをマレーシアから遠隔操作する実験を行いました。アーム式のロボットでペットボトルを掴み、マレーシアと日本の先生方が遠隔で握手をするデモンストレーションを行いました。その後、LEGOを用いたロボット制作とプログラミングに取り組み、モーターやカラーセンサー、超音波センサー、ジャイロセンサーなどを活用しながら、基本動作から複雑な制御まで学びました。自分でフローチャートを設計し、プログラムをダウンロードして動作を確認できたことは大きな達成感につながりました。

次のMission 2では、黒いラインに沿って進み、ピンポン玉を掴んでカップに入れるという課題に挑戦しました。私たちのチームは、3人で役割を分担しながら設計・製作・プログラミングを行いました。特に私は課題Aのロボット設計とプログラムを担当しました。初めはグリップの片方が先に閉じてしまいボールを落としてしまう問題に直面しましたが、左右を非対称にデザインし、さらに下に板を加えることで安定性を高める工夫をしました。その結果、競技本番では一発で成功させることができ、努力が報われた瞬間でした。他のチームでは、上から掴むクレーン式のロボットや、カラーセンサーを2つ搭載して滑らかな動きを実現する設計なども見られ、互いに刺激を受け合いました。

Mission 3では、課題A(ピンポン玉の運搬)、B(色識別による分岐)、C(ショートカット選択)をこなしながらゴールを目指す複雑な競技に挑みました。シンメトリーなコースで左右どちらに進むか分からないという難題に対して、左右両側に超音波センサーを搭載して対応しました。右折の際に大回りになってしまう問題に対しては、変数を細かく調整し、一定時間センサーが反応しないようプログラムを工夫するなど、精度向上に努めました。また、課題AからB・Cへロボットをバトンタッチするためにタッチセンサーを導入し、自動で次のロボットに切り替わる仕組みを設計しました。他チームともアイデアを共有し合い、お互いを高め合えたのも印象的でした。

迎えたトーナメント形式の大会では、ショートカットは片側しか成功できなかったものの、ボール運びや色識別は安定して成功し、総合力で優勝を勝ち取ることができました。審判にはPetronasの社員の方々も参加してくださり、国際的な雰囲気の中で成果を示せたことも誇りです。そして最終日のプレゼンテーションコンペティションでは、Mission 2とMission 3の概要、問題点と改善策、学びについて発表しました。私は前半を担当し、動画を流しながら説明を行いました。審査員からは「発表の導入が明確で聞き手を引き込む工夫が見られた」「映像を活用した説明の分かりやすさ」などと好評をいただき、こちらでも優勝することができました。ロボット競技とプレゼンテーションの両方で結果を残せたことは、この2週間の努力の集大成でした。

今回のgPBLを通じて得たものは、ロボット工学やプログラミングの知識にとどまりません。異なる文化的背景を持つ仲間と協力し、限られた時間の中で目標を共有しながら課題を解決していく過程で、チームワークと問題解決力を大きく磨くことができました。また、英語によるコミュニケーションを通して多様な価値観に触れ、視野を広げられたことも大きな収穫でした。これらの経験は、将来のキャリアに向けて自信につながる大切な学びとなりました。今後も国際的な学びの場に積極的に参加し、さらなる成長と挑戦を続けていきたいと考えています。

理工学部 経営システム工学科 4年 脇田 歩

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