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国際交流基金:日中大学生交流事業へ本学学生が参加しました。
2024.09.19

国際交流基金では、日本の最新情報や日本人と接する機会が少ない中国の地方都市において、青少年層を主な対象に対日理解と交流を促進する「ふれあいの場」を開設しています。「ふれあいの場」では、日本の大学生・留学生や在留邦人、現地中国人の協力を得てさまざまな日中交流イベントが行われています。
今回、ふれあいの場サポーターに参加した河村舞彩さん(文学部日本文学科4年(当時)、人文科学研究科日本文学専攻1年(現在))に体験談を寄稿いただきました。
法政大学では、今後も国際交流基金への学生参加を推奨してまいります。
体験談 河村舞彩さん(文学部日本文学科4年(当時))
私は文学部日本文学科4年次の2024年3月5日~3月10日に、国際交流基金の日中大学生交流事業で中国山東省に行って参りました。国際交流基金では日本人との交流機会が少ない、中国の主に地方都市に「ふれあいの場」を現地機関と共同で設置し、現地の学生と日本の学生が交流を通じて友好の輪を広げる活動を行っております。
私が今回交流させていただいたのは、山東省済南市にある山東師範大学の皆さんです。孔子の故郷と言われる山東省ということで、大学内には孔子の銅像がたくさんありました。なかなか果てが見えないほどに広い敷地を縦横無尽に走る学生の電動スクーター、大型ショッピングセンターのフードコートよりも大きな食堂、日本で見るよりも近く、くっきりと見える夕日など、目に映るもの、音、匂い、全てが新鮮でした。
今回の交流事業では、「日本語授業アシスタント」「フィールドワーク」「文化紹介イベント」という大きく分けて3つの取り組みがありました。「日本語授業アシスタント」では、主に3人1組で1年生から3年生までの各教室を回り、日本の年中行事、大学紹介、若者言葉に関しての授業を行いました。「フィールドワーク」では、山東省済南市の観光名所である大明湖、孔子文廟、芙蓉街、山東博物館に行き、中国の歴史と文化を五感で学ぶことができました。「文化紹介イベント」では、中国側と日本側の学生がお互いに自分の国の文化を体験してもらうという目的でイベントの企画から準備、実施まで行いました。日本側からは、日本の縁日をテーマとして輪投げや手裏剣づくり、盆踊り体験を実施しました。法被を用意し、日本側の学生は赤い法被にねじり鉢巻きスタイルで臨み、中国側の皆さんにはその姿が新鮮だったようで非常に好評でした。そして、中国側の皆さんからは、伝統武芸である梅花拳の演武観覧と中国結び体験をさせていただきました。中国結びはつるつるとした紐に苦戦し、なかなか上手に結ぶことができませんでしたが、最後に学生の皆さんが事前に結んでくれたものをプレゼントしてくださいました。帰国後に部屋に飾ってみると部屋が一気に中華風になり、とても気に入っております。
また、滞在中最も感動したことは料理の美味しさです。私の家族は中華料理が大好きなため、中華料理を食べる回数も多く、馴染みがあるつもりでしたが、実際に現地で食べたものは知らない料理ばかりでした。まずは何でも食べてみようと思い様々な料理に挑戦しましたが、どの料理も美味しく、長く滞在してもっと食べたかったです。特に印象に残っているのは、細長い鶏肉の唐揚げのようなものに少し濃くて甘いタレが絡められ、その上に砂糖がまぶされた一品です。写真を撮る前に食べてしまい、料理名が分からないのが残念ですが、夢の中に出てくるほどに美味しかったです。
次に、私が中国文化で興味深いと思っていることの一つに伝統文化が非常に身近にあるということがあります。それは、中国ドラマのラインナップを見ていても、中国語の音楽を聴いている中でもよく感じます。そして、実際に渡航したことでよりその身近さを感じました。例えば、私の中国の友人たちはよくチャイナドレス(旗袍)を着て写真を撮っているため、私も旅の記念に購入したく、専門店に連れて行っていただきました。学生たちはよく買いに来ると言っておすすめの商品を見せてくださったり、私たちと一緒に試着をして買ったりもされていました。このことからも、私が想像している感覚よりもずっと伝統が身近なものであるとともに、若者にとっても魅力的な存在であることが分かりました。他にも、ミルクティー屋さんのおまけで赤い魔除けの数珠がもらえたり、カラオケで伝統的な歌唱法(戏腔)の入った歌を歌う学生がいたり、好きな漢詩を聞かれてすぐに答えることができたりなど、現代文化と伝統文化が美しく共存している国だと心から思いました。
私が中国に興味を持った最初のきっかけは、幼い頃から書道を習っていた中で中国の古典に触れたことでしたが、自分から動き、交流をして学びたいと思ったきっかけは、中国ドラマでした。“推し”の俳優の方ができたことで、その方の言語を学びたいと思い中国語を学び始め、中国語の歌を聴くようになり、中国の祝日や行事について知るようになっていく中で、中国と日本は歴史的な繋がりも深く、距離的にも近い国であるのにも拘らず、自分と同世代の人たちがどのようなものが好きで、どのような生活を送っているのか、そしてどのようなものが流行っているのかなどをあまりよく知らないことに気が付きました。何か参加できないかと思い立った時にはコロナ禍の真っ只中で対面の国際交流がなかなかできませんでしたが、オンライン交流会に参加し、長春、杭州、済南など様々な地域の学生の皆さんとお話することができ、今では中国にたくさんの友人ができました。その後実際にお会いできたこともありました。お互いにお互いの文化を教え合ったり、言葉を教え合ったり、同じものに感動できる時間は本当に素晴らしいことだと考えます。とても貴重な経験をさせていただきました。お世話になった皆様に心から感謝申し上げます。
この4月からは法政大学の大学院生となり、また新たな生活が始まりました。大学院では短期留学生も長期留学生も非常に多く、私が所属している専攻ではほとんどの留学生が中国のご出身です。春学期現在は日本人の学生のほうが少なく、どの授業でも教室に入って聞こえてくるのは中国語のため、まるで中国の大学に留学しているような新鮮な気分を味わっております。中国の友人からは、就職にあたって修士課程を卒業することが求められるという話をよく聞きます。日本で、特に文系の学生の大学院進学は珍しく、私の周りでも大学院への進学を選んだ友人はいませんでした。私自身、自分だけ就職をせずに周りと異なる道に進んで良かったのだろうかと何度も考えました。その度に思い出すのは、進学を応援してくれた家族、学びたいという気持ち、そして一緒に頑張ろうと言ってくれた中国の友人たちの励ましです。大学院への進学を決めたことも、よく思い出してみると、中国に興味を持ったことで「もっと学びたい」「もっと知りたい」という知識欲が急成長したことが大きかったと思います。私も皆さんの勉学への情熱に負けないように日々努めていきたいと思います。
今回の経験を新たな原点とし、これからも中国と日本の交流の輪に携わっていきたいと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。

孔子文廟

山東料理

山東師範大学 孔子像と図書館

大学生の必需品 電動スクーター

旗袍専門店

中国結び体験

中国で大人気のコーヒーショップ

拱手で記念撮影