Impact Beyond Campus

文化の交差点、世界への切符

リーダーシップ HUBs(Hosei University Buddy System)

国際文化学部・国際文化学科
陳 瑩

2026.09

壁から始まった全て

中学校時代の移住は、私にとって大きな転機でした。そこで直面した言語や文化の壁が、その後の進路を考えるきっかけとなり、国際文化学部への進学を決意しました。文化を軸に学びながら、SAプログラムや海外フィールドスクールなど、海外での学びに挑戦できる環境も、法政大学への進学を決めた理由の一つでした。

マニュアルのない冒険

大学生活は、正解もマニュアルもないまま、新しい環境へ踏み出すことから始まりました。グローバルな視点を持って将来のキャリアを考えたいと思い、HUBsのコアメンバーとして活動を始めました。

参加者のニーズを考えながら、学生同士をつなぐイベントの企画や運営に携わる中で、さまざまな価値観に触れました。一方で、意見の違いから、思うように意思疎通ができないこともありました。そうした経験を重ねる中で、相手の立場を想像するだけでなく、その場に応じて考え方や進め方を柔軟に変えることの大切さを学びました。

学内での活動に加え、内閣府と法政大学が連携した地方創生プロジェクトにも参加しました。長野県の外国人観光客が多く訪れる地域を対象に、自治体や観光事業者へのインタビュー、外国人観光客へのヒアリング調査を実施しました。集めた声やデータをもとに地域課題を分析し、自治体への政策提言まで取り組みました。その活動は日本教育新聞にも取り上げていただきました。

こうした経験を通して、人の声を聞き、現場を知り、異なる視点を組み合わせながら課題を捉えることの大切さを実感しました。そして、立場や価値観の異なる人々の間に入り、それぞれの視点を持ち寄りながら、新しい形を生み出すことに魅力を感じるようになりました。

法政大学から世界へ

法政大学での学びは、少しずつ私の視野を学外へ、そして日本の外へと広げてくれました。大学2年次のボストン大学へのSA留学では、それまでとは異なる環境に身を置き、自分にとっての「当たり前」を改めて見つめ直しました。

帰国後、私は再びHUBsのコアメンバーとして活動することを選びました。最初の活動では、異なる背景を持つ学生と関わりながら、関係を築くことに向き合いました。二度目は、そこで得た気づきを生かし、一人ひとりが違いを意識しすぎることなく、自然に関われる場をつくることを心がけました。

その後も、短期日本語・文化プログラムや留学生スピーチコンテスト、Language Buddy Projectなど、さまざまな活動に携わりました。経験を重ねるにつれ、私の関心は、単に人と人をつなぐことから、それぞれの個性や背景を尊重しながら、ともに過ごせる環境を整えることへと変わっていきました。

「違い」の中へ

2026年、私は派遣留学制度を通して、シドニー大学で学んでいます。それまで海外から来た学生を迎えていた私が、今度は異なる文化の中に身を置き、学ぶ側になりました。

そこで改めて感じたのは、言葉が通じても、共有されている前提まで同じとは限らないということです。自分にとって自然なことが、相手にとっても自然であるとは限りません。以前の私は、違いを理解し、できるだけ距離を縮めることに意識を向けていました。今は、違いをなくすのではなく、その違いを抱えたまま、どうすれば互いに関わり、ともに前へ進めるのかを考えるようになりました。

二年前、HUBsで留学生を迎えていた私にとって、「違い」は越えていくものでした。今の私にとって、「違い」は、まだ知らない価値観や世界に出会うための入口になっています。

小さな「Yes」の先にある、世界への切符

そんな思いを、自分の言葉で伝える機会にも恵まれました。シドニー大学の交換留学生向け歓迎式典では、2名の学生代表の一人としてスピーチに立ち、成長は、時に小さな「Yes」から始まると伝えました。

「I hope you embrace the uncertainty, stay curious, and create your own unforgettable stories here. Welcome to the University of Sydney!」そう呼びかけながら、目の前にいる学生たちに、かつての自分を重ねていました。新しい人に声をかけること。知らない場所に行ってみること。自分とは異なる考え方に耳を傾けること。振り返れば、私自身も、小さな「Yes」を選び続けた先で、思いもしなかった人や景色に出会ってきました。だから今度は、私自身が誰かの背中を押せる存在になりたいと思っています。

法政大学で出会った人々や、そこで得た経験を糧に、これからも異なる世界の間に立ち、新しいつながりや可能性を生み出していきたいと思います。広げることから始まった私の大学生活は、自ら選び、動くことを学ぶ時間へと変わりました。そして今は、違いを越えるのではなく、違いを抱えたまま、誰かとともに新しい世界をつくっていきたいと思っています。


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