Impact Beyond Campus
留学で拓く未来、日本で心と向き合う学び
現代福祉学部臨床心理学科
陳錦紅



日本の物語、そして心理学に導かれて
中学生の頃、私は日本の小説に夢中になり、知らぬ間に「日本」という国に強く惹かれていきました。その頃から、いつか自分がこの国に足を踏み入れ、そこで生活してみたいと密かに夢見るようになりました。高校生になってからは、人の心の奥底に潜む問題や、新しい環境に適応する過程に興味を抱き、心理学という世界に魅了されました。その中で日本生まれの「森田療法」と出会い、病理に対する独特な視点と温かみのある治療法に強く心を動かされました。そして、この療法が生まれた日本という地で、直接学びたいという想いが私の中で確固たるものになりました。
森田療法の地での探求
法政大学の現代福祉学部に進学した理由の一つは、森田療法の研究をされている久保田先生が教鞭をとっていることです。自然豊かなキャンパスと地域社会との繋がりを重視する姿勢もまた、私がこの場所を選んだ大きな理由です。今、私は久保田先生の下で学び、教科書の中だけでは知り得なかった生の現場の声を聞くことで、森田療法に対する理解が日々深まっていると感じます。
ゼミで広がる視野と成長
臨床心理学科では、心理学の幅広い分野を学ぶ中で、ゼミを通じて自分が特に興味を持つテーマをより深く掘り下げる機会があります。仲間と意見を交換し合うことで、視点の多様性を感じ、気づかなかったことに目を開かされる瞬間が数多くありました。法政大学での学びを通して、私は一つの問題を多角的に捉える力を少しずつ養うことができました。
孤独に寄り添う存在へ
将来、私は公認心理師として、他者の心に寄り添い、支えとなる存在を目指しています。SNSの発展により、私たちはかつてないほど繋がりやすくなりましたが、その一方で、誰もが本当の意味で近くに感じられるわけではありません。特に留学生として海外で孤独を感じる人々の中には、悩みを抱え込み、言葉や文化の壁に阻まれて声を上げられない人が少なくないのです。私自身、海外での生活を通じて孤独や不安を感じた経験があり、その痛みを知っています。だからこそ、私はそのような状況にある人たちが、安心して心を開ける場所を提供できるようになりたいと強く願っています。単なる「理解者」ではなく、彼らが心の奥に抱える本音を伝えられる存在として、これからも歩み続けたいと思っています。