ぜひ、勇気をもって一歩を踏み出してほしい。
オークランド
永野 宏和
2012年度 国際文化学部 国際文化学科 卒業
活動報告
【活動内容】
プログラム参加期間:2013年2月10日〜2013年3月10日
ボランティア実施期間:2013年2月11日〜2013年3月8日
ボランティア先:
【園名】Royal Oak Childcare Centre
【保育園詳細】スタッフ12名、1日に約80名(0歳〜5歳)の園児を保育
【特筆すべきエピソード】
「子供=未来ではない。大人×子供=未来である」
ボランティア先での活動は常に子供の安全を守らなければならない。しかし、守るのは安全だけでなく、子供達の未来も守ってあげなければならない。お世話にあった保育園のオフィスにはそれぞれの作業スペースが設置されている。その中にすぐ目に入る場所にスタッフの心構えについて書かれたものが掲載されている。「Keep trying, Be believing, Be happy, Things will, Work out」、他にも子供との接し方についてなどもあるが、スタッフには常にこれらの心構えを意識する事を徹底されている。
マネージャーの方に伺った時、「子供だけでは未来は創れない。子供を育てる大人が居て、未来が切り開かれる。だから、我々は未来を創る仕事をしている。」つまり、子供がいかに素直で優しい子であったとしても、それを育てる大人がしっかりしていなければ、その先に明るい未来はない。自分にとっては何気ない行動や発言でも子供には自分が思っている以上に絶大な影響を与えていることを実感した。
【苦労したこと】
「自分の常識を疑い、常にあらゆる状況を推測すること」
環境が変わることで様々な体験を得られ、学ぶ事が出来る。特に海外では常にあらゆる状況を考慮して判断しなくてはならない。例えば、ホストファミリーに仕事先への送迎をお願いした場合、本当に依頼したことが伝わっているかどうか、もしかしたら送迎が難しいかもしれない、送迎が出来たとしても車が使用できないかもしれない、また時間通りに到着しない場合も想定される。その他にもあらゆる状況に備える事で何かあった時に慌てる事無く、冷静に対処する事が求められる。実際に、自分の想い通りに仕事が進まないこともあったが、冷静に考え、状況に応じて瞬時に次の行動を移すことを身につけられた。特に子供達の行動は先が読めない事が多い。なので、どんな状況にもスタッフは慌てず、リラックスした状態で接する事が求められる。
【身に付いたこと】
「まずは挨拶。そして、会話へ。そこから世界が変わる。」
ニュージーランドは移民の国と言われるほど多くの人種が混合し、共存し合っている。そのため、保育園施設内でも様々なバックグランドを持った子供達が共に生活している。人は外見や行動だけでは相手を理解する事は困難であり、交流することが大切である。そのためにはまずは挨拶から始め、そこから会話を楽しむことが異文化交流の一歩である。例え今までにアメリカ人やヨーロッパの国の方と交流があったとしても、人によってその人の世界観は様々である。日本人でも地方によって特徴は異なるように、同じニュージーランドに住んでいる方でも価値観は同じとは限らない。つまり、人との交流の数だけ世界が広がっていくのを日本に居る時よりも強く感じた。
【今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像とは】
「理解する事が出来なくても、まずは耳を傾ける姿勢」
グローバルとは何か。世界中を駆け回って活躍する事、人種を超えて共に共存する事なのか。私は決してそうは思わない。確かに日本という島国を超えて、世界を舞台に様々な人と交流することはグローバルといえるのかもしれない。しかし、人材となると人としての価値が求められる。世界を舞台に活躍されている方にお会いすると、特徴的な部分として2点あげられる。1点目は「何か1つだけでも自分の軸を持つこと」があげられる。そして今の私にとって大切だと感じた2点目は「理解する事が出来なくても、まずは耳を傾ける姿勢」があげられる。
【後輩へのメッセージ】
「今出来る事は今しかない。一歩踏み出すのも止まるのも自分次第」
大学では自分の好きな選択で4年間を自由に過ごす事が出来る。勉学に専念する人、部活動に没頭する人、アルバイトでお金を貯めて仲間との時間を楽しむ人、それを選択するのは自分自身であることは全ての学生に共通して言える。もし、今海外に少しでも興味があれば、是非勇気を持ってその一歩を踏み出し、自分の意志で選択して欲しい。「また次の機会にしよう。」、「もう少しお金が貯まったら。」「もっと語学力を身につけてから。」、確かにより良い留学生活を得るために今の自分に不足している部分を改善し、努力する事は非常に大切である。しかし、目の前に常にチャンスがくるとは限らない。今前に進まなければ、二度と同じ道は自分の前に現れる事は無いだろう。思考よりも行動。一歩進んだその道から見える景色はさらに自分を大きく成長させてくれる。
今回のプログラムで実感した事は失敗を恐れず、何事も積極的に楽しんで挑戦する事の大切さである。失敗は必ずするけれども、決して悪い事ではない。その経験を生かし、より自分の成長を飛躍する糧として前向きに受け止める姿勢が海外での生活をより有意義にする。限られた4年間で何をやり遂げたいかは自分次第。決断した後に後悔することで今悩んでいるのであれば、決断した後に後悔をしないよう努力することを考えて欲しい。最後に、このような機会を提供して下さった関係者の皆様に心から感謝を申し上げたい。そして、今後日本と海外の距離がより近づき、学生にとって留学する事へのハードルが少しでも低くなる事を願っている。