体験インタビュー

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム 岩口裕美(1期生)
教育学の本場で学ぶ英語科教授法&日本文化発信プロジェクト。
トビタテ!申請コース
多様性人材コース
岩口裕美(1期生)
2015年度 国際文化学部 国際文化学科  4年

 

 

活動報告

法政大学の派遣留学制度を利用して、アメリカのペンシルバニア州にあるウェストチェスター大学の正規クラスで、現地の学生とともに教育学を中心に勉強しました。また留学中、現地の学生と協力してJapan clubを設立し、日本文化を積極的に発信しました。

 

(1)留学結果概要

留学期間:2014825日~201559

学修・実践活動:アメリカ・ウェストチェスター大学

  • ●英語科教授法の授業を履修し、毎回クラスメートと議論を交わしあったり、グループプロジェクトを協力して行い成功させた結果、最高評価のAを獲得することができた。
  • ●日本語ボランティア活動を毎週欠かさず行った結果、多くの現地の友人を作ることができた。最終的には彼らと協力して現地の大学公認のJapan clubを設立することに成功し、その活動の一環として和食料理体験講座や空手レッスンを開催した。
  • ●インターンシップ活動は、留学生より現地の学生を優先的に採用するという企業方針変更があった為、できなかったが、その悔しさをバネにして勉強やボランティア、日本文化発信活動に力を注いだ。

 

(2)留学の成果

TESOLという英語科教授法の学問を、現地の学生達と協力して全力で学ぶことができました。毎回の授業で積極的に発言し且つ論理的に意見を述べる必要があったので、授業前後の予習・復習を決して怠らず、全力で挑みました。発言する際に、他の授業で学んだ「どのようにしたら皆に分かりやすく、自分の意見を納得してもらえるのか」というコツを活用し、ディスカッション中に説得力のある意見を言うことができました。メンバーと協力して行った模擬授業は教授から高い評価をいただき、最高のA評価を獲得することができました。また、日本文化を広める為、Japan clubを新たに設立しようと現地の学生達に呼び掛け、週2回のミーティングで活動内容を話し合い、大学に申請し学生団体幹部達の前でグループプレゼンテーションを行って正式に認めてもらえることができました。活動内容として茶道教室、空手教室、和食料理体験などを盛り込み、これらを全て達成することができました。日本語ボランティア活動をすることによって多くの学生を助けることもできました。留学中取得した単位は日本の大学に申請し、認定される見通しです。

 

 

(3)留学中の気づき、得られたもの、苦労したこと

まず、アメリカと日本の大学の授業や雰囲気において大きな違いを感じました。私の留学先の大学はほとんどのクラスが教授1人対学生20人で行われる少人数形式であり、学生11人の授業参加度がすぐに成績に反映される環境でした。その為か皆とても意欲的に授業に取り組んでおり、私も負けじと全力で勉強することができました。時にはグループプロジェクトで現地の学生と図書館に集まり毎晩深夜2時までプレゼン内容について様々な議論を展開しました。その際にメンバーと意見が合わず、ぶつかりあうこともありましたが、ちゃんとその人の考えを聴き、その気持ち・意見を理解したうえで自分の考えを分かりやすく伝えることの大切さを思いだし、柔軟に対処することができました。また、様々な人たちと交流することにより、その人の考えや価値観を理解し認める寛容性が身につきました。そして日本の「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」という言葉がない英語圏において、クラブ活動の際に情報伝達が上手く行われておらず、活動が滞る場面に何度か出くわしました。物事を円滑に進めるために情報伝達は大事なのだと再認識することができました。道路や公共交通機関が日本ほど整備されていないことにも衝撃を受けました。

 

(4)日本発信プロジェクトの活動内容と成果

授業やクラブ活動等で仲良くなった友達を中心に、事前研修で作成した名刺を計200枚ほど配布することができました。配布する際に、日本やトビタテのプログラムについて紹介し、興味をもたせ会話を弾ませることに成功しました。プレゼンテーションスキル改善法の授業で5分間の個人プレゼンをした際に、トピックを「Japan」にしてクラスメートや教授に日本の食べ物や文化について紹介する機会も設けさせていただきました。授業外としては、現地の学生と協力して大学公認のJapan Clubを設立し、茶道体験教室、日本映画鑑賞会、お花見、和食料理体験教室や空手基礎レッスンを活動内容として盛り込み、これらを全て遂行することができました。大学内で日本語ボランティア活動も行い、日本語を勉強している現地の学生を助け、とても感謝されました。アメリカの多くの友達が2020年の東京オリンピックに期待を持っており、「必ず見に行くからそのときに会おう!」と約束を交わしました。帰国後も繋がっていられるような仲間ができたことは、留学で得た最も大きな事の一つだと感じています。

 

 

(5)帰国後の活動に向けて

アメリカで9か月間過ごしていく中で、日本の良さや文化の素晴らしさを改めて認識することができました。特にインフラ、公共交通機関の利便性、モノづくりや接客サービスの点においてです。しかしこの日本の素晴らしさ・快適さを理解してくれる外国人はまだまだ少ないと感じたため、私が将来グローバルに活躍して、もっともっと世界に広めていきたいと決意しました。そのため、日本のメーカー業界を中心に就職活動をする予定です。また、今年の夏に実施されるグローバル組織のインターンシップにも応募し、選抜されることができました。留学中に培ったアクティブさや積極性を、このインターンシップや将来においても是非活かしていきたいと思います。

 

(6)日本代表プログラムの後輩へのメッセージ

私は留学先が日本の大学との新協定校であり、そこに留学する第1期生でありながら、さらにトビタテ!留学JAPANにおいても第1期生でありと、新しいことだらけでした。当初は不安でしたが、事前研修でこれから世界に羽ばたく同じ留学仲間と目標を発表しあい、モチベーションを高めあうことによってかなり不安が取り除けました。壮行会でも日本全国から集まった学生と友達になりグローバルコミュニティーネットワークを広めあうことができ、このような機会を設けてくれたトビタテ!留学JAPANの方々にとても感謝しています。留学先では立場や環境が一気にがらりと変わって当初は少し戸惑いましたが、すぐに適応し、トビタテで定めた目標を成し遂げようと様々なことを積極的にやらせてもらいました。留学先で、様々な場面において「人脈って大事なんだなあ」と心の底から実感させていただきました。時には辛くて寂しくなることもあると思いますが、そんな時は遠慮せずに誰かに相談してみてください。時には人に頼る勇気も大事だと思います。そして体調を崩さない程度にどんどん積極的に忙しくして外に足を運んでみてください。思いがけない発見や出会いが待っているかもしれませんよ。

 

(7)日本代表プログラムに参加しての感想

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム第1期生として選んでいただいたこと、本当に感謝しています。私の場合、留学前は経済的理由で留学時に自分がやりたいことが何もできないのではないかと不安と闘っていましたが、支援をいただくことで充実した留学生活を送ることができました。本当にありがとうございました。事前研修の際にも、自分の留学目標を多くの仲間に発表しあうことによって、モチベーションが格段に上がりました。さらに日本の経済界を代表する方々による貴重な講義をお聴きする機会をいただき、大変満足しています。留学中は死に物狂いで勉強したり、文化や価値観が異なる様々な人たちと交流したり、時には協力しあってプロジェクトを成し遂げたり、日常生活で思いがけないことが突然発生したりと驚きと新鮮な体験の連続でした。しかしどれにも臆することなく、問題を把握し考え柔軟に対処することができました。この後の事後研修を通じて留学を振り返ることも、今後の活動において有効なのだと思います。また、日本代表プログラムでは、大勢の個性あふれるメンバーがおり、こうして繋がることができたことも大きな財産となりました。2期以降のメンバーが入ってきて繋がっていくことについても、とても期待しています。今後もより多くの学生が留学を経験できるように、留学の魅力が日本中に伝わっていったらいいなと思っています。