体験インタビュー

卒業生メッセージ ヤン・ドゥシェック
楽しく、誇りを持って働くため、
一生自分が打ち込めるものは何かを考えた
shecco Japan株式会社
ヤン・ドゥシェック
2011年度 デザイン工学研究科 博士後期課程修了

環境技術のマーケティングを行う仕事

私は今、shecco Japan(本社・ベルギー)という会社で、「自然冷媒」など環境技術に関する市場開発を行っています。「自然冷媒」とは、フロンのような人工的な物質ではなく、アンモニアや二酸化炭素など自然界に存在する物質で、「冷媒」の性質を持つもののこと。自然冷媒技術を使用した冷凍・冷蔵庫や空調は、オゾン層を破壊せず、自然環境への負荷も非常に低いため、持続可能性が高い製品であるとして、世界的に利用が進められています。しかし、日本を含むアジアでは、まだまだ認知度が低いのも事実。今はニッチな存在であるこのマーケットを日本中に広め、大きくしていくのが我々の仕事です。そのために情報を発信するためのイベントを開いたり、関連企業の方とお会いして、様々な活動を行ったりしています。

法政大学でしかできない研究のため、日本へ

チェコ人の私が日本で働くことになったのは、文部科学省の推薦で日本に留学し、法政大学で工学を学んだのがきっかけです。チェコ工科大学で修士課程まで学んだ工学をベースに、法政大学では福田ゼミに所属し、工学技術とビジネスのマネジメントを行うという、ここでしかできない研究をすることができました。今勤めている企業とも、研究の一環として参加した会議で出会いました。新しい環境技術を早く、広く世界に普及させ、よりよい地球環境をつくるサポートをするというのは、まさに私がやりたかった仕事。「これよりいいものはない!」と断言できるほど、今の仕事に満足しています。

“責任ある自由”を教えてくれた法政大学

法政大学には視野を広げるための自由があり、また自由には責任がともなうことも教えてくれました。これは将来を真剣に考えるために、もっとも適した環境だと思います。また、教授を含め、気づきを与えてくれる人材の宝庫でもありました。自由な校風が、チャレンジングな考え方をする学生を育てるのでしょう。

大学時代は、「自分が一生打ち込めるものは何か」を考えるための時間です。勉強するのはもちろんのこと、いろいろな人と会い、ときには遊ぶことも、考えをまとめる助けになります。日本では「右へならえ」とでも言うように就職活動を行うのが一般的なので、大学時代に考えがまとまらず、就職先で「想像と違った」と感じることもあるでしょう。そういう場合は転職も辞さず、“本当にやりたいこと”のために何度でもチャレンジする気持ちが必要だと思います。私のように楽しく、誇りを持って働くのは、決して難しいことではないのです。